身内の不幸があったとき、会社や学校を何日休めるのかは多くの方が直面する疑問です。結論としては、忌引き休暇は法律で決まっておらず、勤務先の就業規則や学則で個別に定められた「特別休暇」です。一般的な目安は配偶者10日、父母7日、子5日、祖父母3日、兄弟姉妹3日ですが、会社によって大きく異なります。
この記事では忌引き休暇について次の3点を整理してお伝えします。
- 関係性別の忌引き日数の目安と数え方
- 会社・学校への連絡方法と文例
- 復帰時の挨拶と必要書類
忌引き休暇とは — 法律上の位置づけ
忌引き休暇とは、近親者が亡くなったときに葬儀の準備や参列のために取得できる休暇のことです。日常的に「忌引き」と呼ばれていますが、法律上の正式な制度ではありません。
忌引き休暇は「特別休暇」
労働基準法には忌引き休暇に関する規定がなく、有給休暇や産前産後休暇のような法定休暇ではありません。各企業が福利厚生の一環として独自に定める「特別休暇」のひとつです。そのため、日数も給与の扱いも会社ごとに異なります。
会社によっては制度がないこともある
大企業や官公庁では忌引き休暇制度が整備されていることがほとんどですが、中小企業の一部では制度自体がなく、年次有給休暇で対応するケースもあります。入社時や就業規則の確認時に、忌引きの取り扱いを把握しておくと安心です。
有給か無給かも会社次第
忌引き休暇中の給与の扱いも会社によって異なります。多くの会社では有給扱いとしていますが、無給とする会社もあります。給与計算上の取り扱いは、事前または取得後に人事部へ確認してください。
編集部の見解
「忌引きは何日もらえるのが普通か」と一般論で考えるよりも、まずは自社の就業規則を確認することが何より重要です。特に転職直後の方や派遣社員・契約社員の方は、正社員と日数や有給扱いが異なる場合があります。慌てず人事部または直属の上司へ相談し、自社の規定に沿って取得することをお勧めします。
関係性別の忌引き日数 目安
就業規則の参考にされることが多い、一般的な忌引き日数の目安を関係性別にまとめました。あくまで全国的な平均値であり、自社の規定とは異なる場合があるため、必ず就業規則で確認してください。
一般企業の忌引き日数 目安
| 続柄 | 日数の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 10日 | 最も日数が長い |
| 父母(実父母) | 7日 | 喪主の場合10日に加算する会社も |
| 子 | 5日 | — |
| 祖父母 | 3日 | — |
| 兄弟姉妹 | 3日 | — |
| 配偶者の父母 | 3日 | — |
| 配偶者の祖父母・兄弟姉妹 | 1日 | 付与なしの会社もある |
| 叔父叔母・甥姪 | 1日 | 付与なしの会社もある |
喪主を務める場合は加算されることも
喪主を務める場合は、葬儀の準備・進行・各種手続きで通常より時間がかかるため、規定の日数に1〜3日加算する会社が多くあります。喪主としての役割を担う場合は、就業規則の「喪主加算」の有無を必ず確認してください。
遠方の場合は移動日が加算されることも
葬儀会場が遠方(おおむね片道300km以上)の場合、往復の移動日として1〜2日が加算される会社もあります。新幹線や飛行機を使う必要がある距離であれば、移動日加算の対象となるか人事部へ確認しましょう。
日数の数え方と注意点
忌引きの日数のカウント方法は、会社によって異なります。トラブルを避けるためにも、自社のルールを把握しておくことが大切です。
逝去日から数えるか翌日から数えるか
一般的には、ご逝去の日(または翌日)から数え始める会社が多くあります。たとえば「父母7日」の場合、月曜にご逝去された方は月曜〜日曜の7日間を忌引き休暇とする形です。会社によっては逝去翌日から起算するため、初日のずれが生じることがあります。
土日祝日を含めるか
忌引き日数には土日祝日も含めて連続した日数でカウントするのが一般的です。ただし、平日のみでカウントして実質的に長く取得できる制度の会社もあります。連休明けなどは数え方によって取得日数が大きく変わるため、必ず確認してください。
有給休暇との併用
規定の忌引き日数で足りない場合、年次有給休暇を併用して連続して休む方法があります。葬儀後の各種手続き(役所届出・銀行口座の凍結対応・遺品整理など)には時間がかかるため、有給を組み合わせて1〜2週間まとめて休む方も少なくありません。
会社への連絡方法と文例
身内が亡くなったと知ったら、できるだけ早く勤務先へ第一報を入れてください。連絡方法と伝えるべき内容を整理しておくと、混乱した状況でも落ち着いて対応できます。
連絡の基本マナー
原則として、まず直属の上司に電話で連絡します。深夜・早朝で電話をかけづらい時間帯であれば、メールやチャットツールで第一報を入れ、始業時刻に改めて電話するのがマナーです。電話がつながらない場合はメールでの連絡でも問題ありません。
伝えるべき内容
- 誰が亡くなったか(続柄)
- 逝去日
- 通夜・葬儀の日程と場所
- 取得予定の休暇日数
- 緊急連絡先
- 業務の引き継ぎ事項
電話での伝え方 文例
お疲れ様です、◯◯部の△△です。早朝に申し訳ございません。実は昨晩、父が亡くなりまして、本日から忌引き休暇をいただきたくご連絡いたしました。通夜は明日◯月◯日、葬儀・告別式は明後日◯月◯日に執り行う予定です。規定の7日間と移動日1日をいただき、◯月◯日から復帰予定です。業務の引き継ぎについては、追って△△さんに連絡いたします。よろしくお願いいたします。
メールでの連絡 文例
件名:忌引き休暇取得のお願い(◯◯部 △△)
◯◯部長
お疲れ様です。◯◯部の△△です。
早朝のご連絡となり申し訳ございません。
本日未明、父が逝去いたしましたため、忌引き休暇を取得させていただきたくご連絡いたしました。
■ 続柄:父
■ 逝去日:◯月◯日
■ 通夜:◯月◯日(◯)18:00より
■ 葬儀・告別式:◯月◯日(◯)10:00より
■ 会場:◯◯セレモニーホール
■ 取得期間:◯月◯日〜◯月◯日(◯日間)
■ 復帰予定日:◯月◯日
■ 緊急連絡先:090-◯◯◯◯-◯◯◯◯
業務につきましては、本日朝のうちに△△さんへ引き継ぎを依頼いたします。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
◯◯部 △△
編集部の見解
忌引きの連絡では「申し訳ない」という気持ちが先立ちがちですが、過度に謝る必要はありません。葬儀は誰にとっても避けられない大切な行事です。むしろ大切なのは、業務の引き継ぎ先を明確にし、周囲が困らないように配慮することです。連絡の文面はシンプルで構いません。冷静に必要事項を伝えることを優先してください。
学校への連絡と子どもの忌引き
子どもが学校を忌引きで休む場合も、基本的な考え方は会社と同様で、各学校の学則で日数が定められています。
学校の忌引き日数 目安
小中学校・高校では、忌引きによる欠席は「出席停止」または「忌引き」として扱われ、欠席日数にカウントされないのが一般的です。日数の目安は、父母7日、祖父母3日、兄弟姉妹3日、おじ・おば1日程度ですが、各学校の規定で確認してください。
大学・専門学校の場合
大学や専門学校では「公欠」扱いとなる学校もあれば、通常の欠席として処理される学校もあります。テストやレポートの提出期限に影響する場合は、必ず事前に教務課または担当教員へ相談してください。
連絡の方法
学校への連絡は、保護者から担任教員へ電話で伝えるのが基本です。続柄、逝去日、葬儀の予定、欠席する日数、復帰予定日を伝えます。後日、忌引き証明として葬儀の会葬礼状や火葬証明書の提出を求められる学校もあります。
復帰時の挨拶と必要書類
休暇を終えて職場に復帰した日には、休暇中の配慮へのお礼を伝え、必要書類を提出します。忘れずに対応しましょう。
復帰初日の挨拶
復帰初日は、まず直属の上司へお礼を伝えます。次に所属部署のメンバーにも一言挨拶をします。詳細を細かく語る必要はなく、簡潔に感謝の気持ちを伝えるのが基本です。
このたびは私事でお休みをいただき、誠にありがとうございました。お陰様で葬儀を滞りなく終えることができました。本日から業務に復帰いたしますので、よろしくお願いいたします。
香典をいただいた場合のお礼
会社や同僚から香典をいただいた場合は、復帰時にお礼を伝え、後日香典返しを準備します。会社からの「弔慰金」をいただいた場合のお礼方法は、人事部や上司に確認してください。
提出が必要な書類
多くの会社では、忌引き休暇取得の証明として以下のいずれかの書類提出を求められます。葬儀社から発行される会葬礼状、火葬許可証や火葬証明書のコピー、死亡診断書のコピーなどです。どの書類が必要か、提出期限はいつまでかを人事部に確認してください。
急なご不幸で葬儀社をお探しの方は、
編集部が比較した信頼できる葬儀社のランキングをご覧ください。
よくある質問
忌引き休暇は何日もらえますか?
忌引き休暇の日数は会社や学校の就業規則・学則で個別に定められており、法律で決まった日数はありません。一般的な目安としては、配偶者10日、父母7日、子5日、祖父母3日、兄弟姉妹3日、配偶者の父母3日、配偶者の祖父母・兄弟姉妹1日程度です。喪主を務める場合は数日加算される会社もあります。実際の日数は必ず勤務先の就業規則や人事に確認してください。
忌引き休暇は法律で決まっていますか?
忌引き休暇は労働基準法で定められた法定休暇ではなく、会社が福利厚生として独自に定める「特別休暇」です。そのため日数や有給扱いの可否、対象範囲などは勤務先によって大きく異なります。会社によっては忌引き制度自体がなく、年次有給休暇で対応するケースもあります。事前に就業規則を確認することが重要です。
忌引きの日数の数え方はどうなりますか?
忌引きの日数は一般的に逝去日または逝去翌日から数え始め、土日祝日も含めて連続した日数でカウントします。ただし数え方は会社によって異なり、平日のみで計算する会社もあります。遠方の場合は移動日として1〜2日が加算されることもあります。詳細は人事部または直属の上司に必ず確認してください。
忌引き連絡はメールでも大丈夫ですか?
原則としてまず電話で直属の上司に連絡し、その後メールで詳細を伝えるのが基本マナーです。深夜・早朝で電話がかけづらい場合はメールやチャットツールで第一報を入れ、始業時刻に改めて電話するのが望ましい対応です。緊急時はメッセージアプリで先に伝え、取り急ぎ連絡だけ済ませる形でも問題ありません。
忌引き明けの挨拶はどうすればよいですか?
復帰初日に直属の上司と所属部署のメンバーへ、休暇中にお世話になったお礼を簡潔に伝えます。「このたびは私事でお休みをいただきありがとうございました。お陰様で滞りなく葬儀を終えることができました」といった形で十分です。詳細を細かく語る必要はなく、業務復帰の意思を伝えることが大切です。香典をいただいた方にはお礼と香典返しを準備します。