葬儀社選びは、人生で何度も経験することではありません。多くの方が「初めて」で判断を迫られ、相場も分からないまま契約してしまいがちです。後悔のない葬儀社選びには、料金の明朗さ・自社施行か仲介か・24時間対応・実績・対応エリア・プラン柔軟性・アフターサポートの7つを軸に比較することをお勧めします。

この記事でわかること:

  • 葬儀社を選ぶときの7つのチェックポイント
  • 自社施行と仲介型の違いと使い分け
  • 見積もりの読み方と相見積もりのコツ
  • 互助会のメリットと注意点
  • 事前相談の進め方

※費用の詳細は葬儀費用の相場と内訳、急ぎの場合は身内が亡くなったら最初にやることもあわせてご覧ください。

葬儀社選びの7つのチェックポイント

編集部が複数の葬儀社を取材・比較したうえで、初めて葬儀社を選ぶ方に必ず確認していただきたいポイントを7つに整理しました。すべて満点の葬儀社は多くありませんが、ご家族の優先順位に合わせて重み付けしてご検討ください。

1. 料金が明朗か(総額表示があるか)

公式サイトや見積書で、総額が分かる形で提示されているかが最初の判断材料です。「家族葬◯◯万円〜」というセット料金しか書かれておらず、含まれる項目の説明がない葬儀社は注意が必要です。優良な葬儀社ほど、含まれるもの・含まれないものを丁寧に説明してくれます。

2. 自社施行か仲介型か

申込みを受けた葬儀社が、自社のスタッフ・会館で施行するのか、地域の提携先に委託するのかを確認してください。どちらが良い悪いではなく、ご家族が求める「対応の安定感」と「価格の手軽さ」のどちらを重視するかで選び方が変わります。詳しくは次章で解説します。

3. 24時間365日対応しているか

ご逝去は時間を選びません。深夜・早朝でも電話がつながり、すぐに搬送に来てもらえる体制があるかを確認します。電話に出るのが委託コールセンターか自社スタッフかも、当日の安心感を左右します。

4. 施行実績と運営年数

創業からの年数や年間施行件数は、その葬儀社が地域でどれだけ信頼を得てきたかの一つの目安になります。実績が長い葬儀社は、火葬場・寺院・行政手続きなどに精通しており、当日のトラブル対応にも強い傾向があります。

5. 対応エリアと自社会館の有無

ご家族が住む地域に、その葬儀社の自社会館があるかを確認してください。自社会館があれば移動・搬送が短く済み、参列者の負担も軽くなります。会館を持たず提携式場のみを使う葬儀社は、エリアによって対応品質に差が出ることがあります。

6. プランの柔軟性

家族葬・一日葬・直葬・無宗教葬など、複数の形式に対応しているかを見ます。さらに「祭壇のランク変更」「参列人数の追加」「宗派指定」など、細かな調整に応じてもらえるかも大切です。柔軟性がある葬儀社ほど、ご家族の希望に沿った見送りができます。

7. アフターサポートの内容

葬儀が終わってからの四十九日法要・納骨・相続・遺品整理・香典返しなどの相談に乗ってくれるかも判断材料です。アフターサポートが充実している葬儀社は「売って終わり」ではなく、長くお付き合いする前提で対応してくれます。

編集部の見解

7つのうち、多くの方が見落とすのが「自社施行か仲介型か」の確認です。広告で大きく出ている全国規模の葬儀社が必ずしも自社施行とは限らず、実際に当日担当するのは地域の提携葬儀社というケースが少なくありません。窓口の対応が良くても、現場の葬儀社が違えば品質は変わります。契約前に「実際に施行するのはどこの会社のどなたですか」と一言聞いておくだけで、当日のミスマッチを大きく減らせます。

複数のパンフレットと万年筆

自社施行と仲介型の違い

葬儀社は大きく「自社施行型」と「仲介型」に分かれます。それぞれに長所と短所があり、ご家族の状況に応じて選ぶ視点が変わります。

自社施行型の特徴

自社の会館・スタッフ・車両・安置施設を持ち、申込みから施行まで一貫して行う葬儀社です。担当者と現場が同じ会社のため、要望が直接伝わりやすく、当日の対応も安定します。地域密着の老舗や、互助会系の大手にこの形が多く見られます。

仲介型の特徴

申込み窓口とコールセンターのみを運営し、実際の施行は地域の提携葬儀社に委託する形です。全国一律の価格表で分かりやすい反面、当日対応する葬儀社の品質はエリアによって差が出ます。テレビCMで見かける全国規模の葬儀ブランドにこの形が多く見られます。

どちらを選ぶべきか

判断の目安として、以下の整理が参考になります。

自社施行型と仲介型の比較
観点 自社施行型 仲介型
価格の分かりやすさ エリアにより異なる 全国一律で明快
当日対応の安定感 高い 提携先によって差
会館・式場 自社会館中心 提携式場を利用
柔軟なカスタマイズ 対応しやすい パッケージ中心
向いている人 落ち着いた見送りを重視 価格と手軽さを重視

東京・神奈川エリアでは、自社施行型の地域密着葬儀社と、全国規模の仲介型がそれぞれ多数存在します。両方を比較してから決めることをお勧めします。

見積もりの読み方と相見積もり

葬儀費用は葬儀社によって大きく異なります。同じ条件・同じ参列者数でも、30万円以上の差が出ることは珍しくありません。相見積もりを取ることが、費用面で後悔しないための最大のポイントです。

「総額見積もり」で比較する

セットプラン料金だけを並べても比較にはなりません。必ず以下を含めた総額で比較してください。

追加費用の発生条件を事前に確認する

見積書を受け取ったら、「想定参列者数を超えた場合」「安置日数が延びた場合」「火葬場が混雑した場合」など、追加費用が発生しうる条件を必ず聞いてください。書面で残してもらうと安心です。

2〜3社の相見積もりを取る

「同じ条件」で複数社に見積もりを依頼することが大切です。参列者数の見込み・式場の希望エリア・形式(家族葬/一日葬など)を統一して伝えましょう。各社の総額と内訳を並べると、葬儀社ごとの強み・弱みが見えてきます。

落ち着いた応接室と白い花

互助会のメリットと注意点

冠婚葬祭の互助会に積立をされているご家庭は今も多くあります。互助会は使い方を理解すれば心強い仕組みですが、誤解されがちな点もあります。

互助会のメリット

毎月少額を積み立てておくことで、いざというときの初期負担を軽くできます。会員価格で葬儀本体費用が割引になり、自社会館を優先的に使えるなどの特典もあります。地域の老舗互助会は、長年の施行実績と直営式場の多さも強みです。

互助会の注意点

一方で、以下の点には注意が必要です。

互助会を検討するときの確認事項

新たに互助会に加入する場合は、「総額のうち積立金で何が賄えるか」を契約前に必ず確認してください。「葬儀費用が安くなる仕組み」というよりは、「会員割引と直営式場が使える仕組み」と捉えると誤解が少なくて済みます。

事前相談で備える

葬儀社選びで最も差が出るのが、事前相談を済ませているかどうかです。本来は健康なうちに2〜3社の事前相談を済ませておくのが理想ですが、ご家族の体調が思わしくなくなってからでも遅くはありません。

事前相談で確認すること

事前相談の場では、以下を確認しておくとスムーズです。

事前相談のメリット

事前相談を済ませておけば、いざというときに電話一本で対応してもらえます。慌てた状況で病院紹介の葬儀社をそのまま使うよりも、相場感を持ったうえで冷静に判断できます。事前相談自体は無料で受けてくれる葬儀社が多く、見積書だけ持ち帰ることも可能です。

編集部の見解

葬儀社選びで後悔する方の多くに共通するのが、「選ぶ時間がなかった」という言葉です。病院で紹介された葬儀社をそのまま使い、相場より高い金額で契約してしまった、当日のスタッフ対応が事務的で寂しい思いをした、といった声を取材で何度も聞いてきました。事前相談は「縁起でもない」と避けられがちですが、ご家族のためにできる準備の一つです。元気なうちに2社ほど話を聞いておくだけで、選択肢の質が大きく変わります。

地域別に絞り込むコツ

葬儀社は全国規模の大手から地域密着の老舗までさまざまです。最終的にはご家族が住む地域で実績のある葬儀社に絞り込むのが現実的です。

東京で選ぶ場合

東京は民営火葬場が多く、火葬料が地域によって大きく異なります。23区内に自社会館を持ち、火葬場との連携が安定している葬儀社を選ぶと、当日の動線がスムーズです。編集部では実績・価格・対応エリアを総合的に評価した東京の葬儀社ランキングをまとめています。

→ 東京の葬儀社ランキングTOP10を見る

神奈川で選ぶ場合

神奈川は横浜・川崎を中心に公営火葬場が充実しており、火葬料を抑えやすい地域です。県内に直営式場を多く持つ互助会系の葬儀社や、地域密着型の老舗が多いのも特徴です。神奈川の葬儀社ランキングも編集部で整理しています。

→ 神奈川の葬儀社ランキングTOP10を見る

編集部が7つの観点で評価した
地域別の葬儀社ランキングをご覧ください。
事前相談の参考にもお使いいただけます。

葬儀社ランキングを見る →

よくある質問

葬儀社はいつ決めればいいですか?

本来は健康なうちの事前相談が理想です。亡くなってから決める場合、病院で紹介される葬儀社をそのまま使うと割高になりやすく、判断する余裕もありません。事前相談をしておけば、複数社の見積もりを冷静に比較でき、家族の希望に沿った葬儀を選べます。終活の一環として、元気なうちに2〜3社の事前相談を済ませておくことをお勧めします。

自社施行の葬儀社と仲介型の葬儀社は何が違いますか?

自社施行は、自社の会館・スタッフ・車両で一貫して葬儀を行う葬儀社です。窓口と現場が同じため、要望が伝わりやすく当日の対応も安定します。一方の仲介型は、申込窓口だけを運営し、実際の施行は地域の提携葬儀社に委託します。全国対応で価格が分かりやすい反面、当日対応する葬儀社の品質にばらつきが出ることがあります。落ち着いた葬儀を希望するなら自社施行、価格と手軽さを重視するなら仲介型という整理が一つの目安です。

葬儀社の見積もりはどう比較すればいいですか?

「セットプラン料金」ではなく「総額見積もり」で比較してください。広告で見る〇〇万円プランには、ドライアイス・安置料・参列者人数分の返礼品・飲食・お布施などが含まれないことが多く、実際の支払いは1.5倍〜2倍に膨らむことがあります。必ず書面で総額の見積もりをもらい、含まれる項目と追加費用の発生条件を確認してください。最低2〜3社で同じ条件の見積もりを取れば、30万円以上の差が見えることも珍しくありません。

互助会に入っていれば葬儀費用は安くなりますか?

互助会の積立は割安に見えますが、積立金だけで葬儀費用すべてを賄えるわけではありません。積立で賄えるのは祭壇や式場使用料の一部にとどまり、ドライアイス・飲食・返礼品・お布施などは別途請求されます。また、契約している互助会以外の葬儀社を使うと積立金の払い戻しに手数料がかかる場合があります。互助会は「割引券」と捉え、契約内容を必ず確認したうえで利用してください。

病院で紹介された葬儀社をそのまま使ってもいいですか?

病院紹介の葬儀社は搬送だけ依頼し、その後の葬儀は別の葬儀社に切り替えても問題ありません。病院紹介は割高になりやすく、慌てた状態で契約すると相場より高い見積もりに気づきにくいことがあります。搬送と葬儀施行は分けて考え、安置先で改めて葬儀社を選ぶことができます。事前相談を済ませておけば、その場で連絡するだけで切り替えられます。