親や身内が亡くなった直後は、悲しみと混乱の中で「何から手をつければよいのか」が分からなくなるものです。ですが、最初の数時間にやるべきことは比較的シンプルで、順番さえ把握していれば落ち着いて動けます。この記事では、ご臨終から訃報連絡までの24時間を時系列で整理しました。

この記事でわかること:

  • 死亡確認と死亡診断書の受け取り方
  • 葬儀社へ連絡するタイミングと注意点
  • 遺体搬送と安置場所の決め方
  • 訃報を伝える範囲と順番

※本記事は「死亡直後〜訃報連絡まで」に特化しています。葬儀後の行政手続きは葬儀後の手続き一覧、喪主の役割全体は喪主のやることリストをご覧ください。

最初の24時間の流れ

身内が亡くなってから最初の24時間でやるべきことを、まず全体像として俯瞰しておきましょう。順番を覚えておくだけで、判断に迷う時間を大きく減らせます。

ご臨終から訃報連絡までの時系列
タイミング やること ポイント
直後 医師による死亡確認 病院/自宅で対応が異なる
直後 死亡診断書の受け取り コピーを数枚取る
1時間以内 葬儀社へ連絡 病院紹介に即決しない
数時間以内 遺体搬送 自宅または安置施設へ
搬送後 安置・枕飾り 葬儀社が設営
当日〜翌日 近親者へ第一報 簡潔に事実だけ
日程決定後 親族・勤務先へ訃報 日時・場所を伝える

この流れを覚えておけば、あとは一つひとつを順番にこなしていくだけです。以下、各ステップを詳しく見ていきます。

死亡確認と死亡診断書

法律上、人の死亡は医師が確認して初めて成立します。死亡診断書(または死体検案書)は、この後のすべての手続きに必要となる最重要書類です。

病院で亡くなった場合

担当医がその場で死亡を確認し、死亡診断書を発行します。病室で家族が故人に付き添う時間を持った後、看護師から遺体の清拭(エンゼルケア)についての説明があります。病院によっては長時間の安置ができないため、2〜3時間以内に搬送先を決めて葬儀社を呼ぶことになります。

自宅で亡くなった場合

生前からかかりつけ医の診療を受けていた病気で亡くなった場合は、まずかかりつけ医に連絡します。医師が訪問して死亡を確認し、死亡診断書を発行します。

一方、かかりつけ医がいない、または診療を受けていない原因で亡くなった場合は、警察(110番)に連絡します。警察が到着するまでは、遺体に触れたり動かしたりせず、その場の状態を保ってください。検視・検案の後、医師から「死体検案書」が発行されます。

死亡診断書のコピーは必ず取る

死亡診断書は死亡届と一体になっており、役所に提出すると原本が戻ってきません。しかし、生命保険の請求、年金手続き、銀行口座の凍結解除など、さまざまな場面で死亡診断書の写しが必要になります。提出前に必ず5〜10枚程度コピーを取っておいてください。多くの葬儀社はこのコピー作業も代行してくれます。

和風の玄関先に置かれた黒い電話機と時計の静物

葬儀社への連絡

死亡確認と並行して、葬儀社への連絡を進めます。これが最初の24時間でもっとも重要な判断ポイントです。

連絡のタイミング

葬儀社への連絡は、死亡確認が取れた直後、遅くとも1時間以内が目安です。葬儀社は24時間365日対応しているため、深夜や早朝でも遠慮なく電話して構いません。

病院から紹介される葬儀社に即決しない

病院で亡くなった場合、病院スタッフから「提携の葬儀社を呼びましょうか」と提案されることが一般的です。搬送だけは早急に必要ですが、ここで即決せずに一呼吸置いてください。病院紹介の葬儀社は手配が早い反面、料金が相場より高めに設定されていることが少なくありません。

理想は事前に1〜2社を決めておくことですが、決めていない場合でも、スマートフォンで2〜3社に電話して搬送費と葬儀費の概算を聞くだけで、数十万円単位の差に気づけることがあります。

電話で伝えること

葬儀社に電話する際は、以下の情報を伝えればスムーズです。

葬儀の形式(一般葬・家族葬・直葬など)や日程は、この電話で即決しなくて大丈夫です。搬送・安置の後、落ち着いてから打ち合わせで決めます。

編集部の見解

病院からの搬送だけでも十数万円かかることがあり、葬儀社によって料金差が大きい項目です。気が動転している中で相見積もりを取るのは難しく感じられますが、「搬送は急ぐが契約は急がない」と心に決めておくだけで後悔を大きく減らせます。搬送だけ依頼して、葬儀本体は別の葬儀社に頼むことも可能です。迷ったら「一度持ち帰って家族と相談します」と伝えて構いません。

遺体搬送と安置

葬儀社が到着したら、遺体を搬送して安置します。この段階では、家族がやるべきことは「どこに安置するか」を決めることだけです。

自宅安置か安置施設か

安置場所は大きく2つの選択肢があります。

どちらが正しいというものではなく、家族の希望と住環境で選んでください。迷ったら葬儀社のスタッフに相談すれば、経験から適した選択肢を提案してくれます。

枕飾りの設営

安置が済むと、葬儀社スタッフが枕飾り(小机に線香・ろうそく・花・水などを整える儀式)を設営します。宗派によって飾り方が異なりますが、家族が準備する必要はほぼありません。

菩提寺への連絡

代々お世話になっているお寺(菩提寺)がある場合は、安置が済み次第、早めに連絡してください。枕経をお願いするケースも多く、菩提寺に相談せずに葬儀を進めると、後日納骨を断られるトラブルになることがあります。菩提寺が遠方の場合は、葬儀社を通じて同じ宗派の僧侶を手配することも可能です。

訃報連絡の範囲と順番

訃報の連絡は、葬儀の日程が決まってから行うのが基本です。日程が決まる前に広く連絡すると、「葬儀はいつですか」「どこですか」と問い合わせが殺到し、喪主の負担が大きくなります。

第一報は近親者のみ

ご逝去直後に連絡するのは、別居の親族、故人の兄弟姉妹、特に親しい友人など近親者に限定します。「父が先ほど亡くなりました。葬儀の詳細が決まり次第、改めてご連絡します」と簡潔に伝えれば十分です。

第二報は日程決定後

葬儀社との打ち合わせで日程・会場が決まったら、次の順番で連絡します。

  1. 親族(叔父叔母、いとこなど)
  2. 勤務先・学校(忌引き申請を兼ねて)
  3. 故人の勤務先・所属団体
  4. 友人・知人
  5. 町内会・近所

連絡手段は電話が基本ですが、近年はメールやLINEで伝えるケースも増えています。目上の方・高齢の方には電話、同世代以下にはメッセージ、と使い分けて構いません。

家族葬の場合は連絡範囲を絞る

家族葬を選ぶ場合は、参列をお願いする方のみに連絡し、それ以外の方には葬儀終了後に事後報告するのが一般的です。その際は「故人の遺志により近親者のみで執り行いました」と一言添えると丁寧です。

忌引き休暇の取得

勤務先への連絡は、訃報と同時に忌引き休暇の申請も兼ねます。関係性別の日数や伝え方の文例は忌引きは何日?会社への伝え方の記事で詳しく解説しています。

和室の畳の上に置かれた白い花と線香立ての静物

特に注意したいポイント

最初の24時間で、家族が後悔しがちなポイントを3つ挙げます。

高額な契約をその場で決めない

ご臨終直後は判断力が落ちていて当然です。葬儀社との打ち合わせで高額なプランを提示されても、「一度持ち帰って家族と相談します」と伝えて構いません。即決を急かされる葬儀社は避けた方が無難です。

現金を用意しておく

葬儀費用は葬儀後にまとめて支払うのが一般的ですが、僧侶へのお布施、心付け、飲食代などで数日以内に現金が必要になる場面があります。故人の預金口座は死亡届提出後に凍結されるため、ある程度の現金を手元に用意しておくと安心です。

貴重品・書類の保管

故人の通帳・印鑑・保険証券・年金手帳・マイナンバーカードなど、後で手続きに必要な書類は早めに一箇所にまとめておくと、後の相続手続きがスムーズになります。ただし、遺言書がある場合は勝手に開封せず、家庭裁判所で検認を受けてください。

編集部の見解

身内の死に直面した直後の家族に、完璧な判断を求めるのは酷なことです。それでも、「搬送は急ぐが契約は急がない」「葬儀社は必ず複数社比較する」「訃報は日程が決まってから」という3点だけ覚えておけば、後悔の大部分は避けられます。わからないことがあれば、葬儀社のスタッフに遠慮なく質問してください。経験豊富なスタッフほど、家族の立場に立って丁寧に案内してくれます。

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よくある質問

身内が亡くなったら、一番最初に何をすればよいですか?

まず医師に死亡を確認してもらい、死亡診断書を受け取ることが最初のステップです。病院で亡くなった場合は医師がその場で発行しますが、自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医が対応できれば死亡診断書、対応できない場合は警察に連絡し医師による死体検案書を受け取ります。死亡診断書は役所への死亡届に必要な最重要書類で、コピーを数枚取ってから提出してください。

葬儀社にはいつ連絡すればよいですか?

死亡確認の直後、遺体の搬送先を決めるタイミングで連絡します。特に病院で亡くなった場合は長時間遺体を安置できないため、数時間以内に葬儀社を手配する必要があります。事前に決めている葬儀社がなくても、焦って病院紹介の葬儀社に即決せず、スマートフォンで2〜3社に見積もりを取ってから選ぶことで、費用を大きく抑えられることがあります。

訃報はどの範囲まで、いつ伝えればよいですか?

訃報の連絡は葬儀の日程が決まってから行います。第一報は近親者のみに、葬儀日程が確定してから親戚・勤務先・親しい友人へ順次伝えます。家族葬の場合は、参列をお願いする方のみに連絡し、それ以外の方には葬儀終了後に事後報告するのが一般的です。連絡手段は電話が基本ですが、近年はメールやLINEで伝えるケースも増えています。

自宅で亡くなった場合、警察を呼ぶ必要がありますか?

かかりつけ医がいて、生前から診療を受けていた病気で亡くなった場合は、まずかかりつけ医に連絡して死亡診断書を書いてもらいます。かかりつけ医がいない、診療を受けていない病気や不明な原因で亡くなった場合は、警察に連絡する必要があります。警察到着までは遺体に触れず、その場を動かさないでください。詳細は「病院・自宅で亡くなったら」の記事で解説しています。

遺体はどこに安置すればよいですか?

自宅に安置するか、葬儀社の安置施設に搬送するかの2択です。自宅安置は故人とゆっくり過ごせる反面、マンション等の住環境によっては難しい場合があります。安置施設は24時間管理され、空調も整っていて安心ですが、面会時間が制限される場合があります。葬儀社と相談して家族の事情に合った方を選んでください。